私は、全盲の視覚障害者です。私たち障害者にとって、ここ30年来の急速な情報・通信技術の発展は、情報の発信、情報の蒐集、意見の表明についての自由度を大きく広げました。
中でも、インターネット検索やアクセシビリティー改善技術の普及と充実は、今や、パソコンやインターネットの無い生活は考えられないと言っても過言ではない状況を作り出しています。解らない事や知りたい事があればネットで検索し・知らせたい事や主張したい事があればネットに投稿し・必要な物や欲しい物があればネットで購入するといった具合です。
このような生活をおくる中で、私はある時ふと考えるようになりました。私たちの生活は、ネットの向う側の人に対して一方的にお世話になるだけの生活ではないかと。そして、私たちも、ネットの向う側の誰かの役に立てるようにならなければと。
しかし、そのための知識や技術を持ち合わせない私たちとしては、その後も何もできないまま歯がゆい思いを重ねてきました。そんな折、ご縁を得て、情報通信技術に明るい人たちの集団である「VIC」(視覚障害者情報支援センター)の志摩さんに協力をお願いしたところ、快く引き受けていただくことができました。
ようやく、念願だった、ウェブサイトの開設にこぎ着けることができ、ネットの向こう側にいる人たちとの相互の交流の手段を手にすることができるようになりました。
私たち「エス・アイ・エヌ」は、微力ではありますが、社会のユニバーサルデザイン化の促進、障害者のための生涯学習の支援環境づくり、障害者のための仕事興しなどに取り組んでいます。また、障害当事者の持っている知識や経験・情報の中には、誰にとっても暮らしやすい世の中作りに活かされるべきものがたくさんあるはずだという課題意識から、「障害者知見の社会資源化」という試みにも取り組みたいと考えています。
私たちは、このウェブサイトを通じて、活動の中で得られた情報や知識・考え方や意見を積極的に公開するとともに、同じような事柄に関心を持たれている人たちとの交流を深めていきたいと考えています。
この事を通じて、私たちも、ネットの向こう側にいる人たちのお役にたてる一員になれれば幸いです。
最後になりましたが、お忙しい中ご協力いただいている志摩さんにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
2011年11月21日
サイト開設のご挨拶
サイト開設にあたってのご挨拶
posted by admin at 18:36| Comment(0)
| ご挨拶
この記事へのコメント
コメントを書く